こんにちは、労働安全衛生の専門家として働いているパル子です。今回は、社会保険労務士試験の労働安全衛生法の科目に出題される「労働安全衛生法の目的」について解説します。
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労働衛生法とは何か?
労働安全衛生法とは、その名のとおり、労働者の安全と衛生を守るための法律です。「衛生」という言葉がイメージしづらい方は「健康」と置き換えて考えてみてもよいかもしれません。
安全な職場で健康的に働きたいという労働者の願いを実現させるための法律が「労働安全衛生法」です。
労働安全衛生法の目的とは
労働安全衛生法の目的は、「労働者の安全と健康の確保」と「快適な職場環境の形成」です。これは、労働安全衛生法の第一条に書かれています。
労働安全衛生法の目的を達成させるためには労働災害を防がなければなりません。労働災害とは、簡単に言うと、仕事が原因でケガをしたり、病気になったり、死んでしまったりすることです。
どのように労働災害を防ぐのか
労働安全衛生法の第一条には、労働災害を防止するためには、総合的で計画的な対策を進める必要があると記載されており、その一例として、①危害防止基準の確立、②責任体制の明確化、③自主的活動の促進があげられています。
危害防止基準の確立とは、危害を防止するための基準を決めようということです。
例えば、労働安全衛生法等においては、「墜落によるケガを防止するために2m以上の高さで作業をするときは墜落防止措置を講じる」などの数多くの労働災害防止のための基準が定められています。
これらの労働災害防止のためのルールのほとんどが「実際に発生した労働災害」がきっかけとなり作られており、「労働安全衛生法は墓標である」とも表現されます。
責任体制の明確化とは、誰が何の責任を負うのかという体制を明確に決めようということです。
労働安全衛生法では、「どのようなときに、どのような管理者を選ばないといけないか」といったことや「その管理者が何をしなければならないか」ということが、細かく定められています。
自主的活動の促進とは、法律以上の対策をして、危険を可能な限り減らしましょうということです。労働安全衛生法で定められたルールは、労働災害を起こさないために最低限のものであって、会社にはそれ以上の安全衛生活動が求められます。
労働基準法との関係
労働者が安全な環境で健康に働くために必要な労働安全衛生法は、労働者の労働条件を守る労働基準法と相まって、労働者を守ってくれる大切な法律なのです。元々、労働安全衛生法は労働基準法の一部であったものが、分離独立した法律でもあります。
見ていただきありがとうございました。
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関連条文・通達
労働安全衛生法第一条(目的)
この法律は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。
労働安全衛生法第二条第一号
労働災害 労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいう。