【2級ボイラー技士】第23回 圧力制御機器と温度調節器について【独学合格】

【2級ボイラー技師】第23回 圧力制御機器と温度調節器【独学合格講座】 2級ボイラー技士試験
【2級ボイラー技師】第23回 圧力制御機器と温度調節器【独学合格講座】

こんにちは、資格マニアのパル子です。今回は、2級ボイラー技士免許試験に出題される「圧力制御機器と温度調節器」について解説します。

過去問を分析して、特に出題頻度が高いところは太字にしておりますので、重点的に覚えましょう。

圧力制御

ボイラーにおいて制御する圧力は、蒸気圧力、炉内圧力、燃料油圧力などがあります。

これらの圧力を制御する装置には、蒸気圧力調節器、圧力制限器などがあり、このうち蒸気圧力調節器は、さらにオンオフ式と比例式に分かれます。

圧力制御器の分類
圧力制御器の分類

オンオフ式蒸気圧力調節器

オンオフ式蒸気圧力調節器は、オンオフ動作によって蒸気圧力を制御する調節器です。

蒸気圧力制限には、一般にオンオフ式圧力調節器が用いられます。

オンオフ式蒸気圧力調節器で蒸気圧力を制御する場合は、圧力の制御範囲の上限と下限である、動作すき間の設定が必要となります。

オンオフ式蒸気圧力調節器と動作すき間
オンオフ式蒸気圧力調節器と動作すき間

オンオフ式蒸気圧力調節器は、蒸気圧力によって伸縮するベローズにより制御されます。

ベローズに直接蒸気が侵入するのを防ぐため、オンオフ式蒸気圧力調節器を取り付けるときは、サイホン管を使い、その中を水で満たします。

蒸気圧力調節器とサイホン管
蒸気圧力調節器とサイホン管

比例式蒸気圧力調節器

比例式蒸気圧力調節器は、比例動作によって蒸気圧力の調節を行うもので、一般にコントロールモータとの組合せで使用されます。

比例式蒸気圧力調節器では、比例帯の設定を行います。

圧力制限器

圧力制限器は、ボイラーの蒸気圧力や燃焼用空気圧力などが異常に上昇、または低下した場合に、直ちに燃料の供給を遮断して安全を確保するためのものです。

温度制御

ボイラーにおいて、制御する温度は、温水ボイラーの温水温度、重油の加熱温度、過熱器の蒸気温度、空気予熱器の温度などがあります。

温水ボイラーの温度制御は、主にオン・オフ制御や比例制御とオン・オフ制御を組み合わせたものによって行われます。

オンオフ式温度調節器(電気式)

温度調節器は、調節器本体と、感温体、そして、これらを連結する導管で構成されます。

感温体内には、膨張率の高い液体であるトルエン、エーテル、アルコールなどが入っており、これらの液体が、温度の上昇・下降によって膨張・収縮することにより、調節器本体内のベローズやダイヤフラムを伸縮させ、マイクロスイッチを開閉させます。

温度調節器のしくみ
温度調節器のしくみ

感温体の取り付け方は、ボイラー本体に直接取り付ける方法と、保護管を用いて取り付ける方法があります。

保護管を用いて感温体を取り付ける場合は、保護管内にシリコングリスなどを挿入して感度を良くします。

感温体の取り付け方
感温体の取り付け方

温度調節器は、オンオフ式蒸気圧力調節と同じく、調節温度と動作すき間の設定を行います。

最後まで見ていただきありがとうございました。次回は、燃焼安全装置と火炎検出器の種類について解説します。

今回の記事に関連する過去問

【問題】蒸気圧力制限器には、一般に比例式圧力調節器が用いられている。

【解答】誤り。蒸気圧力制限器には、一般にオンオフ式圧力調節器が用いられている。

【問題】オンオフ式蒸気圧力調節器(電気式)は、蒸気圧力によって伸縮するベローズがスイッチを開閉し燃焼を制御する装置で、ボイラー本体に直接取り付ける。

【解答】誤り。オンオフ式蒸気圧力調節器(電気式)は、水を入れたサイホン管を用いてボイラーに取り付ける。

【問題】蒸気圧力制限器は、ボイラーの蒸気圧力が異常に上昇した場合などに、直ちに燃料の供給を遮断するものである。

【解答】正しい。

【問題】比例式蒸気圧力調節器では、動作すき間の設定を行う。

【解答】誤り。比例式蒸気圧力調節器では、比例帯の設定を行う。

【問題】比例式蒸気圧力調節器は、一般にコントロールモータとの組合せにより、比例動作によって蒸気圧力の調節を行う。

【解答】正しい。

【問題】温度調節器は、調節器本体、感温体及びこれらを連結する導管で構成される。

【解答】正しい。

【問題】感温体内の液体には、一般にトルエン、エーテル、アルコールなどが用いられる。

【解答】正しい。

【問題】感温体内の液体は、温度の上昇・下降によって膨張・収縮し、ベローズやダイヤフラムを伸縮させ、マイクロスイッチを開閉させる。

【解答】正しい。

【問題】温度調節器は、一般に、調節温度及び動作すき間の設定を行う。

【解答】正しい。

【問題】感温体は、必ず保護管を用いて取付けなければならない。

【解答】誤り。感温体は、ボイラー本体に直接取り付けるか、又は保護管を用いて取り付ける。

【問題】保護管を用いて感温体を取り付ける場合は、保護管内にシリコングリスを挿入してはならない。

【解答】誤り。保護管内にシリコングリスなどを挿入して感度を良くする。

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