習慣化のコツは作業興奮にあったのか?〜側坐核の「やる気スイッチ」をオンにする方法

習慣化のコツは作業興奮にあった〜側坐核の「やる気スイッチ」をオンにする方法 人生のリスクアセスメント

目標達成のカギは習慣

目標を達成するためには、行動をオートモード化(習慣化)化するということが必須です。デューク大学が2006年に発表した論文では、人の行動の40%以上が、習慣的な行動に支配されているということが分かりました。

人の行動の40%というと大したことがないように思うかもしれませんが、24時間中の9.6時間を習慣的な行動に支配されているということです。1日約10時間を、ゲームやテレビ、スマホなどの娯楽に費やすか、目標達成のための行動に使うかで人生は大きく変わります。

習慣化には、他にも次のようなメリットがあります。

よい習慣づくりのメリット①~嫌な感情を感じず努力できる

皆さんは努力という名のレベル上げは好きですか?私は大嫌いです。努力するのって、しんどいし退屈なんですよね。

人生を攻略したいなら、努力は避けては通れませんが、今まで努力をしてこなかった私のような人間が、ある日から突然、努力しようとしても大抵は上手くいきません。

成果を出すには、ある程度の努力は避けて通れませんが、努力に伴う「しんどい」や「面倒くさい」という感情を最小限に抑える方法は存在します。それが習慣化です。

習慣化することによって、その行動は無意識に行われます。意識せずに行動できるので、作業前や作業中に「しんどい」とか「面倒くさい」とは感じません。嫌な感情を感じないなら努力嫌いな人でも努力を続けられます。

私が子供の頃プレイしていたファイナルファンタジー5では、ある場所で動く床に向かってコントローラーを押し続けると永遠にエンカウントし、雑魚敵と対戦し続けることができました。私が寝る前に、コントローラーの十字キーとAボタンを大きな洗濯バサミで固定するだけで、寝ている間に、勝手にキャラが戦闘し続け、起きたらレベルが30くらい上がっていました。

人生というゲームにも、この裏技に近いレベル上げの方法があります。それが習慣化です。

ちょっと工夫するだけで、勝手に自分というキャラが努力して気がついたらレベルが上がっているのです。こんなに楽なことはありません。

よい習慣づくりのメリット②~マイナスをプラスに変えられる~

よく、「習慣づくり」と言いますが、習慣という機能はすでに全ての人に実装されています。

習慣の対象は幅広く、「読書」、「運動」、「勉強」などの良いものだけではなく、「ゲーム」、「惰眠」、「セクシー動画鑑賞」、「パチンコ」などあまり良いイメージを持たれないものも含まれます。

良い習慣づくりのメリットの2つ目は、自分にとっての悪い習慣でも良い習慣に変えることができるということです。0から10になると「プラス10」ですが、マイナス10から10になると「プラス20」になりますので、今の自分の習慣が悪ければ悪いほど、それを良い習慣に変えたときのメリットは大きくなります。

自分にとっての悪い習慣は、自分にとって弊害しかありません。

例えば、以前の私は、「課金スマホゲーム」が習慣になっていました。

時間さえあれば、無意識のうちに、トイレの中でもお風呂の中でも食事中でも課金スマホゲームをプレイし続け、新しい課金ガチャが更新されるたびに条件反射で最低でも5千円以上は使っていました。

その習慣で、得られたものはドーパミン放出による一時的な快楽であり、失ったものは1日8時間以上の時間と計100万円以上のお金、それから自分自身への信頼です。

しかし、良い習慣づくりに成功した現在の私は、課金スマホゲームに費やしていたほぼ全ての時間を、「運動」「読書」「サイドビジネス」などの生産的な活動に当てることができるようになりました。

その結果、お金や時間を浪費することはなくなり、大きな自信を得ることができました。

このように習慣は敵に回すと厄介ですが、味方にするととても頼もしい存在です。

ゲームやネットサーフィン、SNS、ポルノ鑑賞などに多くの時間を奪われながら、それを止めたくても中々止められない人がいるかもしれません。そのような人にこそ、良い習慣づくりをオススメします。

なぜなら、その悪い習慣が強力であるほど、それを味方にしたとき(良い習慣に変えたとき)のパワーも大きくなるからです。

習慣化の最強スキル「小さな習慣」

習慣化のスキルで個人的に最強と思うスキルが、スティーブン・ガイズさんが提唱する”小さな習慣”です。

このスキルは、人生のあらゆるスキルの中でも最強クラスです。

30年以上も三日坊主(やろうと思ったことが1週間も続かない状態)を繰り返して何一つとして良い習慣を身につけられなかった私でも、このスキルを習得してからは、「習慣にしたいと思った全てのこと」を習慣化(ほぼ1年以上毎日継続)することができております。それだけの素晴らしい効果を与えるにも関わらず、誰にでもできるほど簡単です。

「小さな習慣」とは、『習慣化したいことを、考えうる限りの小さなことから始めることで、「確実に」習慣化させる』という方法です。

具体的に、どれくらい小さなことから始めるかというと、筋トレを習慣化したいなら「最低腕立て一回」、読書を習慣化したいなら「最低1ページ読む」ということを達成目標として始めるのです。さらに小さく考えて「腕立ての態勢に入るだけ」とか「とりあえず本を開くだけ」という目標から始めても良いかもしれません。

「そんなに小さなことをやって意味あるの?」と思われるかもしれませんが、安心してください。あくまでもこれは最低回数なので、実際には、この10倍、状況によってはこの100倍以上の量がこなせるようになるでしょう。

なぜなら、やる気が出ないような作業でも始めてみると、やる気や集中力が出てくるものです。このような作用を心理学では「作業興奮」と言い、行動をし始めると脳の側坐核が刺激を受け、やる気ホルモンであるドーパミンが分泌されます。

少しだけ掃除をしようと手を動かし始めたら、思いの外没頭し手が止まらなくなった経験があるのではないでしょうか。

小さな習慣が成功する3つの理由

ノーストレス

例えば、毎日腕立て50回を目標にすると、やり始めるのは大変です。

なぜなら、大抵の場合、終わった後の爽快感や達成感より、やっているときの辛さの方を想像してしまうからです。その日の目標が終わるまで、この嫌な気持ちが続くでしょう。

これが腕立て1回を目標とした場合、やらなきゃいけないと思うより前に終わってしまうので、嫌な気持ちはほとんど感じません。

小さな習慣はノーストレスで取り組めるので、自然と生活の中に溶け込みます。

絶対に続く

腕立て50回という目標は、体調が万全でモチベーションが高いときならできるかもしれません。しかし、飲み会終わりに終電でフラフラになって帰ってきた時は、高確率で目標を達成することができないでしょう。「サボってしまった」という自己嫌悪と、「目標達成が続かなかった」という挫折感は、腕立て50回を今後も続けない理由としては十分なものになります。

一方、腕立て1回以上という目標であれば、どんなに疲れていてもできるでしょう。飲み会帰りでも風邪で寝込んでいる時でも、秒で終わります。忘れない限り、絶対に続きます。続けば続くほど、自己肯定感が強くなり、よりその行動を行いたいと思います。

物足りなくなってくる

小さな習慣は、必ず物足りなくなってきます。腕立て1回以上という目標にしても、ほとんどの場合、1回では終わりません。せっかく腕立ての体制になったならと5回、10回は簡単にできますし、もっと回数を重ねることもできるでしょう。

また、最初は数回で満足していても、だんだんと物足りなくなってきます。そのようなときには1回と限らず、どんどんやってしまいましょう。ついには50回以上やってしまう場合もあるかもしれません。

小さな習慣を成功させるために抑えておくポイント

小さな習慣を成功させるためのポイントはたった一つ、ハードルを上げないことです。例えば、腕立て1回以上を目標にしても、ほとんどの場合、腕立て数回以上できるでしょう。そのようなことが何日も続くと、腕立て1回という目標が低すぎると思えて、20回、30回と自分のハードルを上げようとしてしまいます。または目標を上げなくても、次もそのくらいできるだろうと期待してしまいます。

しかし、人間のモチベーションや体調には波があります。長く続けていれば腕立て1回しかできない日もあるでしょう。でもそれで良いのです。それで目標達成、勝者です。あなたの人生を大きく変えるのは、「今日の腕立て回数」の最大化ではなく「一生の腕立て回数」の最大化です。自分のバイオリズムに合わせ「その日の最適な回数」を続けることだけを考えていれば、どんなに小さなことでも一年も経てば大きな成果につながるはずです。

もし、昨日期待した回数をこなせなかったとしても、決して前日分を取り返そうとはしないでください。ハードルを上げると目標は続かなくなります。

どれだけ多くの作業をこなせる人間でも、その始まりは小さな一歩です。まずは一歩踏み出すことだけを目標にするということを、決して忘れないでください。このことさえ忘れなければ、小さな習慣は必ず成功します。

習慣化については、こちらの記事の方法もオススメです。

このページのまとめ

もし、習慣を継続できないならば、タスクを最小単位にしよう。