【夫婦で家事育児分担】「俺ばっかり・私ばっかり』は自己中心性バイアス?

【夫婦で家事育児分担】「俺ばっかり・私ばっかり』は自己中心性バイアス? 人生のリスクアセスメント

こんな風に思ったことはありませんか?または思われてはいませんか?

「俺の方が多く働いているのに家事も育児も分担するなんておかしい」

「夫はゴミ出しと休日の子供の世話くらいしかしてくれない」

こんな不満を言ったこと、または言われたことはないでしょうか?

もし、私たち夫婦は大丈夫と思っていても、そう思っているのはあなただけで相手は不満を感じているのかもしれません。

このような不平等感を放置しておくと、喧嘩が絶えないだけでなく離婚の原因となることもあります。結婚した夫婦の3分の1が離婚してしまうという事実がある以上、そのようにならないための対策は必要です。

そもそも、なぜ、このような不満を感じてしますのでしょうか?

あなたやパートナーの努力不足や人間性に原因があるのでしょうか?

それも原因の一つかもしれませんが、それよりも、「人間なら誰しも持っているバイアス(心理的傾向)」が大きな原因である可能性が高いです。

このバイアスについて理解すれば、少しだけパートナーに対して寛容になれるかもしれません。

人間の脳は自分の役割を過大評価するようになっている

心理学者マイケル・ロスとフィオーレ・シコリーによる、「夫婦間における家事などへの貢献度」を調べた研究では、お互いが自分の貢献度について、相手の評価よりも高く評価する傾向があることが分かっています。

このように自分を高く評価してしまう心理的な傾向を「自己中心性バイアス」と言います。

このように考えてしまうのはごく普通のことで、自分の行動とは違い、相手の行動には見えなかったり気づかなかったりする部分が含まれるので、どうしても相手のやっていることを過小評価してしまうのです。

仕方がないとは言え、これはかなり厄介な問題です。

例えば、客観的に見ると5:5の割合で家事育児を分担している夫婦がいるとしましょう。

それぞれが、自分の分担を一割増で考えてしまったとすると、自分が60%の家事育児をやっていると思っていても、相手からは40%しかやってくれないと思われているということになるのです。

自分の貢献度を2割低く見積もろう

このような問題に対して、どのように対処するのが良いでしょうか?

まず一つ目の対処方法が自分にも相手にもバイアスがかかっていることを理解し、自分の貢献度を2割低く見積もるというものです。

例えば、あなたが「俺は家事育児を半分はやっている」と思っている場合、「3割くらい」と評価し直しましょう。

そうすることで、相手の評価に近いものになり相手への感謝の気持ちが湧きやすくなります。そして、自ら進んで手伝ったり気遣いができたりするようになるかもしれません。

「いやいや、そんなことをしたら自分ぼっかりが損をするじゃないか!」と思われるかもしれませんが、そもそも愛する人に尽くすという行為は損なのでしょうか?

例え多少の苦労が増えたとしても、それで夫婦の関係が良くなるなら必要な投資と考えてよいと思います。

あなたがどう思っているかは置いといて、「パートナーがどう思っているだろうか」に合わせて行動すると、夫婦関係はずっと円滑になります。

ケーキ入刀の気持ちを忘れない

対策の二つ目は、「効率を気にせず一緒にやってみる」ということです。

基本的に家事育児は分担した方が効率は良いでしょう。しかし、共同作業(一緒にやること)には、内容も相手の行動もよく分かるというメリットがあります。

結婚式でのケーキ入刀を想像してください。そのときの二人の心は通じ合っており「自分ばっかり辛い思いをしている」と考えてはいないと思います。ケーキ入刀を最後の共同作業にしては勿体ないです。

「最近、心の距離を感じるな」と思ったら多少効率が悪くなっても、共同作業で一緒にやってみましょう。

相手のことが理解できるかもしれませんし、二人が知恵を持ち寄ることで、もっと良い方法が発見できるかもしれないというメリットもあります。

たまには相手の仕事を手伝いましょう。

逆に珍しく相手から手伝いたいと言われたら、面倒くさがらずに広い心で手伝わせてあげましょう。

このページのまとめ

もし、自分とパートナーの仕事・家事等の負担割合について考えるときは、「自分の貢献度を2割引」で考えよう。