【2級ボイラー技士】第14回 送気系統装置(主蒸気管・弁、気水分離器、蒸気トラップ等)ついて【独学合格】

2級ボイラー技士試験

こんにちは、資格マニアのパル子です。今回は、2級ボイラー技士免許試験に出題される「送気系統装置(主蒸気管・弁、気水分離器、蒸気トラップ等)」について解説します。

過去問を分析して、特に出題頻度が高いところは太字にしておりますので、重点的に覚えましょう。

送気系統装置とは、ボイラーで発生した蒸気を、次の工程に送る過程にある装置の総称です。

主蒸気管(メインスチームパイプ)

主蒸気管は、ボイラーで発生した蒸気を使用先へ送るものです。

ボイラーの主蒸気管
ボイラーの主蒸気管

長い主蒸気管に対しては、温度の変化による伸縮を自由にするため、適切な箇所に、伸縮継手を設けます。

伸縮継手には、一般的に、湾曲形のものが用いられますが、最近では、ベローズ形(蛇腹形)、すべり形などの形式のものも使用されています。

主蒸気弁(メインストップバルブ)

主蒸気弁は、送気開始や送気停止を行うため、ボイラーの蒸気取出し口や、過熱器の蒸気出口に取り付けられる弁です。

主蒸気弁には、アングル弁 、玉形弁、仕切弁があります。

アングル弁

アングル弁は、蒸気入口と出口が直角になったもので、蒸気は弁体の下方から入り、横から出ます。

玉形弁(グローブバルブ)

玉形弁は、蒸気の入口と出口は共に一直線上にあるものですが、蒸気の流れが弁内でS字形になるため、抵抗が多いという特徴があります。

ちなみに、玉形弁の弁軸を45°とした、Y形弁は、比較的抵抗が少なくなります。

仕切弁(ゲートバルブ)

仕切弁は、蒸気は直線状に流れるため、抵抗が非常に少ないですが、流量調整には適しません。

蒸気逆止め弁(ノンリターンバルブ又はチェックバルブ)

蒸気逆止弁は、蒸気がボイラー胴又は蒸気ドラム内に逆流することを防止する弁となります。

この弁は、ボイラーの運転中は開きますが、入口側の圧力が低下したり、出口側の圧力が高くなったりすると閉じ、蒸気が胴やドラム内に逆流することを防止します

2基以上のボイラーが蒸気出口で同一管系に連絡している場合には、逆流防止のため、主蒸気弁の後に、蒸気逆止め弁を設けるのが普通です。

気水分離器

気水分離器は、蒸気と水滴を分離する役割を持っており、ボイラーの胴やドラム内に設けられます。

低圧ボイラーに用いられる気水分離器は、沸水防止管と呼ばれ、大径のパイプの上面だけにあけた穴から蒸気を取り入れ、水滴は下部にあけた穴から流すようにしたものです。

蒸気トラップ (スチームトラップ)

蒸気トラップは、蒸気使用設備の中に溜まった排水(ドレン)を自動的に排出する装置です。

蒸気トラップには様々な種類がありますが、ここでは、試験に出やすいバケット式について説明します。

これは、蒸気とドレンの密度差を利用するもので、ドレンの存在が直接トラップ弁を駆動するので、作動のためのドレンの温度降下を待つ必要がなく、 作動が迅速確実で信頼性が高いという特徴があります。

下向きバケット式では、ドレンが溜まっているときには、バケットは下に下がって、弁は開いた状態です。

ドレンがなくなると、蒸気がバケットの中に勢いよく入り、バケットは浮力を生じて浮き上がり、弁を閉じます。

そして、再びバケットがドレンで満たされると、バケットが浮力を失い下がり、排水弁が開いて、ドレンが排出されます。

減圧装置

減圧装置は、圧力を下げ、一定に維持する装置です。

減圧装置は、発生蒸気の圧力と使用箇所での蒸気圧力の差が大きいときや、使用箇所での蒸気圧力を一定に保ちたいときに用いられます。

減圧装置には、オリフィスだけの簡単なものもありますが、一般に減圧弁が用いられます。

減圧弁の構造は、試験に出ないと思われますので、説明を省略します。

最後まで見ていただきありがとうございました。次回は、について解説します。

次回の解説

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