【2級ボイラー技師】第24回 燃焼安全装置の要件と火炎検出器の種類【独学合格講座】

【2級ボイラー技師】第24回 燃焼安全装置の要件と火炎検出器の種類【独学合格講座】 2級ボイラー技士試験
【2級ボイラー技師】第24回 燃焼安全装置の要件と火炎検出器の種類【独学合格講座】

こんにちは、資格マニアのパル子です。今回は、2級ボイラー技士免許試験に出題される「燃焼安全装置の要件と火炎検出器の種類」について解説します。

過去問を分析して、特に出題頻度が高いところは太字にしておりますので、重点的に覚えましょう。

燃焼安全装置

燃焼が原因の事故を防ぐ制御装置の一部を燃焼安全装置と呼びます。

燃焼安全装置に求められる要件

燃焼安全装置には、次の要件が求められます。

  • 要件① :燃焼が停止した後に、燃料が燃焼室内に流入しない構造であること。
  • 要件②:燃料漏れの点検や保守が容易な構造のものであること。
  • 要件③:点火の前に、ファンによってボイラー内の燃焼ガス側空間を十分な空気量でプレパージ(燃焼室内に溜まっているガスを排出すること)する構造のものであること。
  • 要件④:ファンが異常停止した場合に、主バーナへの燃料の供給を直ちに遮断する機能を有するものであること。
  • 要件⑤:主安全制御器、火炎検出器、燃料遮断弁などで構成される信頼性の高い燃焼安全装置が設けられていること。
  • 要件⑥:主安全制御器は、火炎検出器などからの信号を受けて、確実に燃焼制御のための指令を発するものであること。
  • 要件⑦:異常消火の場合に、主バーナへの燃料の供給を直ちに遮断し、修復後は手動による操作でない限り再起動できない機能を有するものであること。
  • 要件⑧:灯油などの軽質燃料油やガス燃料を使用するボイラーには、燃料を遮断する機構が二重に設けられていることが望ましいこと。

火炎検出器

火炎検出器とは、燃焼安全装置の一つであり、火炎の有無や強弱を検出し、これを電気信号に変換するものです。

火炎検出器とは
火炎検出器とは

火炎検出器の種類は、次のような種類があります。

フォトダイオードセル

フォトダイオードセルは、光起電力効果を利用した検出器であり、ガンタイプ油バーナなどに多く採用されます。

フォトダイオードセル
フォトダイオードセル

硫化鉛セル(PbSセル)

硫化鉛セルは、硫化鉛の抵抗が、火炎のちらつきであるフリッカというものによって、変化する電気的特性を利用した検出器で、主に蒸気噴霧式バーナなどに用いられます。

整流式光電管

整流式光電管は、ある種の金属に光が照射されたときに金属面から光電子を放出する光電子放出現象というものを利用した検出器です。

ガス燃焼炎の検出には適しませんが、油燃焼炎の検出に用いられます。

整流式光電管
整流式光電管

紫外線光電管

紫外線光電管は、整流式光電管と同じく光電子放出現象を利用した検出器です

整流式光電管より感度がよく安定していて、炉壁の放射による誤作動もないため、すべての燃料の燃焼炎の検出に用いられます。

紫外線光電管
紫外線光電管

フレームロッド

フレームロッドは、火炎の導電作用を利用した検出器で、点火用のガスバーナに多く用いられます。

フレームロッド
フレームロッド

最後まで見ていただきありがとうございました。次回は、自動制御機器と構成部分について解説します。

今回の記事に関連する過去問

【問題】燃焼安全装置は、ファンが異常停止した場合に、主バーナへの燃料の供給を直ちに遮断する機能を有するものであることが求められる。

【解答】正しい。

【問題】燃焼安全装置は、異常消火の場合に、主バーナへの燃料の供給を直ちに遮断し、修復後は手動又は自動で再起動する機能を有するものであることが求められる。

【解答】誤り。修復後は手動でなければ再起動できない機能を有するものであることが求められる。

【問題】燃焼装置には、主安全制御器、火炎検出器、燃料遮断弁などで構成される信頼性の高い燃焼安全装置が設けられていることが求められる。

【解答】正しい。

【問題】燃焼装置は、燃焼が停止した後に、燃料が燃焼室内に流入しない構造のものであることが求められる。

【解答】正しい。

【問題】燃焼装置は、燃料漏れの点検・保守が容易な構造のものであることが求められる。

【解答】正しい。

【問題】フォトダイオードセルは、火炎の導電作用を利用した検出器で、ガス燃焼炎の検出に用いられる。

【解答】誤り。フォトダイオードセルは、光起電力効果を利用した検出器であり、ガンタイプ油バーナなどに多く採用される。

【問題】硫化鉛セルは、硫化鉛の抵抗が火炎のフリッカによって変化する電気的特性を利用した検出器で、主に蒸気噴霧式バーナなどに用いられる。

【解答】正しい。

【問題】整流式光電管は、光電子放出現象を利用した検出器で、ガス燃焼炎の検出には適さないが、油燃焼炎の検出に用いられる。

【解答】正しい。

【問題】紫外線光電管は、光電子放出現象を利用した検出器で、感度がよく安定していて、炉壁の放射による誤作動もなく、すべての燃料の燃焼炎の検出に用いられる。

【解答】正しい。

【問題】フレームロッドは、火炎の導電作用を利用した検出器で、点火用のガスバーナに多く用いられる。

【解答】正しい。

次回の解説

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