【2級ボイラー技士】第6回 丸ボイラーの特徴と種類について【独学合格】

2級ボイラー技士試験

こんにちは、資格マニアのパル子です。今回は、2級ボイラー技士免許試験に出題される「丸ボイラー」について解説します。

過去問を分析して、特に出題頻度が高いところは太字にしておりますので、重点的に覚えましょう。

丸ボイラー

丸ボイラーの概要

丸ボイラーは径の大きい円柱(丸ボイラーではこれを「胴」といいます)の内部に燃焼室などを設けたボイラーです。 丸ボイラーは、次のような特徴をもっています。

  1. シンプルな構造:丸ボイラーは、構造や取扱いが簡単で、安価で設置できため、広く普及されています。
  2. 高圧、大容量には不向き:高圧にしたり容量を大きくしたりすることには向いていません。
  3. 保有水量が多い保有する水の量が多いため、起動してから蒸気発生までに時間がかかり、破裂の際の被害が大きくなります。しかし、負荷の変動による圧力変動は少ないです。
  4. 水循環の経路を構成する必要がない:丸ボイラーは伝熱面の多くがボイラー水中に設けられており、水の対流が容易なので、水循環の経路を構成する必要がありません。

丸ボイラーは炉の位置によって、炉をボイラー内に設けた内だき式と、外部に設けた外だき式に分けられます。

立てボイラー

立てボイラーは、円柱の内部を直立させ、燃焼室を底の部分に置いた丸ボイラーの一種です。 立てボイラーは、次のような特徴をもっています。

  1. 床面積の少ない場所にも設置できる:縦に長いボイラーであるため、床面積の少ない場所にも設置しやすく、据え付けや移設が簡単という利点があります。
  2. 小容量である:伝熱面が小さいため、容量の小さいものに限られ、内部の掃除や点検がしづらいという問題もあります。
  3. 作り出す蒸気に含まれる水分が多い

代表的な立てボイラーに横管式の立てボイラーと多管式の立て煙管ボイラーがあります。

横管式の立てボイラーとは、燃焼室を横に貫通するように水が通る管が設置されているボイラーです。

多管式の立て煙管ボイラーとは、燃焼室から上に伸びる煙の通る管が多数設置されているボイラーです。

近年では、ボイラー効率の高い小型水管ボイラーの出現によって、これらの立てボイラーが新しく設置されることは少なくなっており、特に立て煙管ボイラーはほとんど使用されていません。

横ボイラーなど

煙管ボイラー

横に置いた円柱の水部に燃焼ガスの通路となる多数の煙管を設けて伝熱面の増加を図ったボイラーです。

炉筒ボイラー

円柱の筒を、貫通する1本又は2本の炉筒を設けたボイラーです。炉筒が燃焼室となります。炉筒1本のものをコルニシュボイラー、2本のものをランカシャボイラーといいます。

一般工場用ボイラーとして古くから使用されてきましたが、現在では他の性能の良いボイラーが出てきたので、新設されるものはほとんどありません。

炉筒煙管ボイラー

炉筒煙管ボイラーは、内だき式ボイラーで、一般に径の大きい波形炉筒と多数の煙管を組み合わせてできたボイラーです。

炉筒煙管ボイラーの特徴は次のとおりです。

  1. パッケージ形式:すべての組立てを製造工場で行うことができるため、完成状態で運搬できるパッケージ形式としたものが多く製造されています。据付けが簡単であり、また、水管ボイラーと比較して、一般に製作及び取扱いが容易であるため、主として圧力1MPa程度までの工場用又は暖房用として広く用いられています。
  2. 自動運転:自動制御装置などで、自動化されたものが広く製作されています。
  3. 良質な給水が必要:内部の清掃が困難なので、良質な水を使用し、内部が汚れないようにしなければなりません。
  4. 燃焼効率が高い燃焼効率が高く加圧燃焼方式や、吹き出した火炎が戻ってくる戻り燃焼方式を採用して、燃焼効率を更に高めたものもあります。また、煙管に伝熱効果の大きい特殊管であるスパイラル管というものを採用したものが多く製造されています。

見ていただきありがとうございました。

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