こんにちは、資格マニアのパル子です。今回は、2級ボイラー技士免許試験に出題される「フィードバック制御」について解説します。
過去問を分析して、特に出題頻度が高いところは太字にしておりますので、重点的に覚えましょう。
働きながら完全独学で様々な国家資格を取得したパル子が資格取得のために必要な知識について、わかりやすく解説します。
フィードバック制御
フィードバック制御とは、ボイラーの自動制御に用いられ、水位などの制御量を設定値と比較し、一致させるように訂正動作を行う制御方式のことをいいます。
フィードバック制御を制御動作別に分類すると、
- オンオフ動作、ハイ・ロー・オフ動作
- 比例動作(P動作)
- 積分動作(I動作)
- 微分動作(D動作)
などがあります。
オンオフ動作による制御
オンオフ動作は、設定値から制御量を引いたものである制御偏差が、正であるか負であるかによって、操作量をオンにするか、オフにするかという二つの定まった値のいずれかをとり制御を行います。
例えば、オンオフ動作により、蒸気圧力を制御する場合、蒸気圧力の変動によって、燃焼、燃焼停止のいずれかの状態をとります。
ハイ・ロー・オフ動作による制御
オンオフ動作は、オンにするかオフにするかという制御でしたが、ハイ・ロー・オフ動作による制御は、その名の通り、ハイとローとオフの3つの状態で制御します。
ハイ・ロー・オフ動作により、蒸気圧力を制御する場合、蒸気圧力の変動によって、高燃焼、低燃焼、燃焼停止のいずれかの状態をとることになります。
比例動作(P動作)による制御
比例動作は、偏差の大きさに比例して操作量を増減するように動作するもので、P動作とも呼ばれます。
積分動作(I動作)による制御
積分動作は、偏差の時間的積分値に比例して操作量を増減するように動作するもので、I動作ともいいます。
比例動作のみで制御を行っている場合は、負荷の変動により、設定値と現在値との偏差であるオフセットが永続的に続いてしまうことがあります。
積分動作は、オフセットが現れた場合に、オフセットがなくなるように働く動作であり、比例動作と組合わせてPI動作として使用されます。
微分動作(D動作)による制御
微分動作は、制御量があまり変化しないときは制御量を増やし、逆に制御量が短時間で大きく変化したときには操作量を減らすというように、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように働く動作で、D動作ともいわれます。
微分動作は、比例動作やPl動作と組合わせて使用されます。
最後まで見ていただきありがとうございました。次回は、シーケンス制御について解説します。
今回の記事に関連する過去問
【問題】オンオフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、燃焼、燃焼停止のいずれかの状態をとる。
【解答】正しい。
【問題】オンオフ動作による制御は、制御偏差の値により操作量が二つの定まった値のいずれかをとり制御を行う。
【解答】正しい。
【問題】ハイ・ロー・オフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、高燃焼、低燃焼、燃焼停止のいずれかの状態をとる。
【解答】正しい。
【問題】比例動作による制御は、偏差の大きさに比例して操作量を増減するように動作し制御を行う。
【解答】正しい。
【問題】比例動作による制御は、オフセットが現れた場合にオフセットがなくなるように動作する制御である。
【解答】誤り。これは積分動作による制御の記述である。
【問題】比例動作による制御は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作し制御を行う。
【解答】誤り。これは微分動作による制御の記述である。
【問題】積分動作による制御は、偏差の時間積分値に比例して操作量を増減するように動作する制御である。
【解答】正しい。
【問題】微分動作による制御は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作する制御である。
【解答】正しい。
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