【2級ボイラー技士】第4回 蒸気の性質と水循環について【独学合格】

蒸気の性質と水循環 2級ボイラー技士試験
蒸気の性質と水循環

こんにちは、資格マニアのパル子です。今回は、2級ボイラー技士免許試験に出題される「蒸気の性質と水循環」について解説します。

過去問を分析して、特に出題頻度が高いところは太字にしておりますので、重点的に覚えましょう。

蒸気の性質

蒸気の一般的性質

水を熱すると温度が上がり、沸騰が始まります。 水が沸騰する温度を、沸騰した時の圧力に対する飽和温度といいます。

一方で、そのときの圧力を、その温度に対する飽和圧力といいます。 飽和温度のときの水を飽和水、飽和温度のときの蒸気を飽和蒸気といいます。

標準大気圧のときの水の飽和温度は100℃で、圧力が高くなるに従って飽和温度は高くなります。 一方で、蒸発熱は、圧力が高くなるほど小さくなります。

そして、ある圧力に達すると蒸発熱は0になります。この点を臨界点といい、その圧力を臨界圧力、その温度を臨界温度といいます。

また、臨界圧力を超えた圧力を、超臨界圧力といいます。

ちなみに、蒸気の圧力、温度に対して,比体積,比エンタルピ,蒸発熱などの数値が示されている一覧表を蒸気表といいます。蒸気表では、圧力は、絶対圧力で記載されます

飽和蒸気

基本的に、ボイラーから発生する蒸気には,ごくわずかの水分が含まれています。

1kgの蒸気の中に、x kgの蒸気と(1-x)kgの水分が含まれている場合,xをその蒸気の乾き度、(1-x)を湿り度といいます。

水分を含んでいる蒸気を湿り蒸気といいます。これに対して、水分を含まない渇き度が1の蒸気を乾き飽和蒸気といいます。

通常は、ボイラーから出た蒸気は、乾き度0.95~0.98程度の湿り蒸気になっています。

過熱蒸気

乾き飽和蒸気を更に熱すると、温度は飽和温度を超えて上昇します。

このような温度の蒸気を過熱蒸気といいます。加熱蒸気は、ボイラーから取り出した飽和蒸気をさらに過熱器で加熱することで得られます。同じ圧力下での過熱蒸気温度と飽和蒸気温度との差を過熱度といいます。

水循環

基本的に温められた空気や水は上に溜まるという性質があります。

ボイラーにおいても同じで、ボイラーの伝熱面近くにある温度の上昇した水や気泡を含んだ水は上昇し、そのあとに温度の低い水が流れてくることで、ボイラー内には、水の循環流ができます

水管ボイラーでは、特に水の循環を良くするために、水と気泡の混合体が上昇する管(上昇管、蒸発管)と、水が下降する管(下降管、降水管)を区別して設計されているものが多いです。

水の循環が良いと伝熱面の温度が水温に近い温度に保たれますが、循環が不良であると気泡が停滞するなどして、伝熱面の損傷などの原因になります。

見ていただきありがとうございました。

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