こんにちは、資格マニアのパル子です。今回は、2級ボイラー技士免許試験に出題される「その他の附属設備(エコノマイザ、空気予熱器)」について解説します。
過去問を分析して、特に出題頻度が高いところは太字にしておりますので、重点的に覚えましょう。
働きながら完全独学で様々な国家資格を取得したパル子が資格取得のために必要な知識について、わかりやすく解説します。
エコノマイザ
エコノマイザとは、煙道ガスの余熱を回収して給水の予熱に利用する装置で、節炭器とも呼ばれます。
エコノマイザを設けることにより、ボイラー効率を向上させ燃料の節約となります。
ただし、エコノマイザを設置することによって、通風抵抗が多少増加するので通風力を検討する必要があります。
また、燃料性状によっては、給水温度が低いと低温腐食を起こすことがあります。
エコノマイザに使用されるエコノマイザ管には、平滑管やひれ付き管が用いられます。
空気予熱器
空気予熱器は、ボイラーの燃焼空気を燃焼前に温めて燃焼を容易にする装置です。
空気予熱器には、熱源として蒸気を用いるものと、エコノマイザと同じく煙道ガスの余熱を利用するものがあります。
空気予熱器のメリットとして、
- ボイラーの効率が上昇する。
- 燃焼状態が良好になる。
- 水分の多い低品位燃料の燃焼に有効である。
- 過剰空気量を小さくできる。
- 炉内伝熱管の熱吸収量が多くなる。
といったものがあります。
一方で、窒素酸化物(NOx)の発生量が増加することがあるというデメリットもあります。
今回説明したエコノマイザと空気予熱器、第15回で紹介した給水加熱器は、よく混同されてしまいがちなので、それぞれの役割の違いをしっかり覚えておきましょう。
エコノマイザは、煙道ガスの余熱により、給水を予熱します。
空気予熱器は、蒸気や煙道ガスの余熱により、燃焼空気を予熱します。
給水加熱器は、蒸気により、給水を予熱します。
最後まで見ていただきありがとうございました。次回は、ボイラーの自動制御(制御量と操作量)について解説します。
今回の記事に関連する過去問
【問題】エコノマイザは、煙道ガスの余熱を回収して給水の予熱に利用する装置である。
【解答】正しい。
【問題】エコノマイザを設置すると、ボイラーへの給水温度が上昇する。
【解答】正しい。
【問題】エコノマイザを設置すると、ボイラー効率を向上させ燃料の節約となる。
【解答】正しい。
【問題】エコノマイザを設置すると、乾き度の高い飽和蒸気を得ることができる。
【解答】誤り。エコノマイザにそのような特性はない。
【問題】エコノマイザを設置すると、通風抵抗が減少し動力の節約となる。
【解答】誤り。エコノマイザを設置すると、通風抵抗は増加する。
【問題】エコノマイザには、燃焼ガスにより加熱されたエレメントが移動し、給水を予熱する再生式のものがある。
【解答】誤り。給水を空気に変えると、空気予熱器についての記述となる。空気予熱器には再生方式とヒートパイプ方式がある。
【問題】エコノマイザを設置すると、炉内伝熱管の熱吸収量が多くなる。
【解答】誤り。これは、空気予熱器の特性である。
【問題】エコノマイザは、燃料の性状によっては低温腐食を起こすことがある。
【解答】正しい。
【問題】主蒸気管は、伝熱管に分類される。
【解答】誤り。水管などと異なり、主蒸気管は蒸気を他の装置に送るのみであり、伝熱管ではない。
【問題】空気予熱器を設置した場合、ボイラー効率が上昇する。
【解答】正しい。
【問題】空気予熱器を設置した場合、通風抵抗が増加する。
【解答】誤り。通風抵抗が増加するのは、エコノマイザを設置したときである。
【問題】空気予熱器を設置した場合、燃焼状態が良好になる。
【解答】正しい。
【問題】空気予熱器を設置した場合、過剰空気量を小さくできる。
【解答】正しい。
【問題】空気予熱器を設置した場合、燃焼用空気の温度が上昇し、水分の多い低品位燃料の燃焼に有効である。
【解答】正しい。
【問題】空気予熱器を設置した場合、ボイラーへの給水温度が上昇する。
【解答】誤り。空気予熱器は空気を温めるものであり、給水温度が上昇するのは、エコノマイザを設置したときである。
【問題】空気予熱器を設置した場合、窒素酸化物の発生を抑えられる。
【解答】誤り。逆に、窒素酸化物は増加する。
次回の解説
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