【2級ボイラー技師】第18回 その他の附属設備(エコノマイザ、空気予熱器)について【独学合格講座】

【2級ボイラー技師】第18回 その他の附属設備(エコノマイザ、空気予熱器)について【独学合格講座】 2級ボイラー技士試験
【2級ボイラー技師】第18回 その他の附属設備(エコノマイザ、空気予熱器)について【独学合格講座】

こんにちは、資格マニアのパル子です。今回は、2級ボイラー技士免許試験に出題される「その他の附属設備(エコノマイザ、空気予熱器)」について解説します。

過去問を分析して、特に出題頻度が高いところは太字にしておりますので、重点的に覚えましょう。

エコノマイザ

エコノマイザとは、煙道ガスの余熱を回収して給水の予熱に利用する装置で、節炭器とも呼ばれます。

エコノマイザとは
エコノマイザとは

エコノマイザを設けることにより、ボイラー効率を向上させ燃料の節約となります。
ただし、エコノマイザを設置することによって、通風抵抗が多少増加するので通風力を検討する必要があります。

また、燃料性状によっては、給水温度が低いと低温腐食を起こすことがあります。

エコノマイザに使用されるエコノマイザ管には、平滑管やひれ付き管が用いられます。

エコノマイザ管、平滑管、ひれ付き管
エコノマイザ管、平滑管、ひれ付き管

空気予熱器

空気予熱器は、ボイラーの燃焼空気を燃焼前に温めて燃焼を容易にする装置です。

空気予熱とは
空気予熱器とは

空気予熱器には、熱源として蒸気を用いるものと、エコノマイザと同じく煙道ガスの余熱を利用するものがあります。

空気予熱器のメリットとして、

  1. ボイラーの効率が上昇する。
  2. 燃焼状態が良好になる。
  3. 水分の多い低品位燃料の燃焼に有効である。
  4. 過剰空気量を小さくできる。
  5. 炉内伝熱管の熱吸収量が多くなる。

といったものがあります。

一方で、窒素酸化物(NOx)の発生量が増加することがあるというデメリットもあります。

今回説明したエコノマイザと空気予熱器、第15回で紹介した給水加熱器は、よく混同されてしまいがちなので、それぞれの役割の違いをしっかり覚えておきましょう。

エコノマイザは、煙道ガスの余熱により、給水を予熱します。

空気予熱器は、蒸気や煙道ガスの余熱により、燃焼空気を予熱します。

給水加熱器は、蒸気により、給水を予熱します。

エコノマイザ、空気予熱器、給水加熱器の違い
エコノマイザ、空気予熱器、給水加熱器の違い

最後まで見ていただきありがとうございました。次回は、ボイラーの自動制御(制御量と操作量)について解説します。

今回の記事に関連する過去問

【問題】エコノマイザは、煙道ガスの余熱を回収して給水の予熱に利用する装置である。

【解答】正しい。

【問題】エコノマイザを設置すると、ボイラーへの給水温度が上昇する。

【解答】正しい。

【問題】エコノマイザを設置すると、ボイラー効率を向上させ燃料の節約となる。

【解答】正しい。

【問題】エコノマイザを設置すると、乾き度の高い飽和蒸気を得ることができる。

【解答】誤り。エコノマイザにそのような特性はない。

【問題】エコノマイザを設置すると、通風抵抗が減少し動力の節約となる。

【解答】誤り。エコノマイザを設置すると、通風抵抗は増加する。

【問題】エコノマイザには、燃焼ガスにより加熱されたエレメントが移動し、給水を予熱する再生式のものがある。

【解答】誤り。給水を空気に変えると、空気予熱器についての記述となる。空気予熱器には再生方式とヒートパイプ方式がある。

【問題】エコノマイザを設置すると、炉内伝熱管の熱吸収量が多くなる。

【解答】誤り。これは、空気予熱器の特性である。

【問題】エコノマイザは、燃料の性状によっては低温腐食を起こすことがある。

【解答】正しい。

【問題】主蒸気管は、伝熱管に分類される。

【解答】誤り。水管などと異なり、主蒸気管は蒸気を他の装置に送るのみであり、伝熱管ではない。

【問題】空気予熱器を設置した場合、ボイラー効率が上昇する。

【解答】正しい。

【問題】空気予熱器を設置した場合、通風抵抗が増加する。

【解答】誤り。通風抵抗が増加するのは、エコノマイザを設置したときである。

【問題】空気予熱器を設置した場合、燃焼状態が良好になる。

【解答】正しい。

【問題】空気予熱器を設置した場合、過剰空気量を小さくできる。

【解答】正しい。

【問題】空気予熱器を設置した場合、燃焼用空気の温度が上昇し、水分の多い低品位燃料の燃焼に有効である。

【解答】正しい。

【問題】空気予熱器を設置した場合、ボイラーへの給水温度が上昇する。

【解答】誤り。空気予熱器は空気を温めるものであり、給水温度が上昇するのは、エコノマイザを設置したときである。

【問題】空気予熱器を設置した場合、窒素酸化物の発生を抑えられる。

【解答】誤り。逆に、窒素酸化物は増加する。

次回の解説

このページを動画で見たい方

2級ボイラー技士免許試験の解説一覧はこちら

本気で試験に受かりたい方への1冊

試験突破の最も効率的な方法は過去問を解きまくることです。特に問題数が多く解説も丁寧な以下の過去問集をおすすめします。