こんにちは、資格マニアのパル子です。今回は、2級ボイラー技士免許試験に出題される「自動制御の概要と制御量・操作量」について解説します。
過去問を分析して、特に出題頻度が高いところは太字にしておりますので、重点的に覚えましょう。
働きながら完全独学で様々な国家資格を取得したパル子が資格取得のために必要な知識について、わかりやすく解説します。
自動制御はなぜ必要か
ボイラーで作られた蒸気の使用量が変化すると、ボイラー内の圧力、温度、水位などが変化します。
ボイラーを円滑に効率よく運転するためには、圧力、温度、水位などを適正な値に保って安定した運転を継続して行う必要がありますが、それを全部手動でやるとなると大変なので、自動制御で行われます。
制御量と操作量
ボイラーの水位を制御したいときは、給水量を操作することによって、制御が可能になります。
このように、ボイラーの自動制御においては、様々な値を制御するために、それに対応するものを操作しています。
水位のように、ボイラーの状態量として設定範囲内に収めることが目標となっている量を制御量といいます。
それに対して、給水量のように、制御量を設定範囲内に収めるために調節する量を操作量といいます。
制御量には、それに対応する操作量があります。
試験に出やすい制御量と操作量の組み合わせには次のようなパターンがあります。
制御量が水位のとき、操作量は給水量となります。
制御量が炉内圧力のとき、操作量は排出ガス量となります。
制御量が蒸気温度のとき、操作量は過熱低減器の注水量や伝熱量となります。
制御量が蒸気圧力、温水温度、空燃比のとき、操作量は燃焼空気量と燃料量となります。
空燃比とは、ボイラーで燃料を燃焼させる際に供給する空気の量と燃料の量の割合のことを言います。
このようなパターンを、全て暗記しようと思うと大変ですが、直接的に動かせる値が操作量で、それを操作することで間接的に動く値を制御量と知っておけば、解ける問題は増えるはずです。
特に過去問では、操作量が蒸気量であるというような選択肢がよく出てきますが、蒸気量は直接操作できないので、この選択肢は誤りであるということが分かります。
ちなみに、ボイラーの蒸気圧力や温水温度を一定に制御するために、燃料供給量と燃焼空気量を自動的に操作する制御を、自動燃焼制御(ACC)といいます。
最後まで見ていただきありがとうございました。次回は、フィードバック制御について解説します。
今回の記事に関連する過去問
【問題】ボイラーの状態量として設定範囲内に収めることが目標となっている量を操作量といい、そのために調節する量を制御量という。
【解答】誤り。操作量と制御量の説明が逆になっている。
【問題】制御量=蒸気温度のとき、操作量=過熱低減器の注水量又は伝熱量 である。
【解答】正しい。
【問題】制御量=蒸気圧力のとき、操作量=蒸気流量である。
【解答】誤り。蒸気流量は、操作量ではない。
【問題】制御量=ボイラー水位のとき、操作量=給水量である。
【解答】正しい。
【問題】制御量=蒸気圧力のとき、操作量=燃料量及び燃焼空気量である。
【解答】正しい。
【問題】制御量=炉内圧力のとき、操作量=排出ガス量である。
【解答】正しい。
【問題】制御量=空燃比のとき、操作量=燃料量及び燃焼用空気量である。
【解答】正しい。
【問題】制御量=ボイラー水位のとき、操作量=蒸気量である。
【解答】誤り。蒸気量は操作量ではない。
【問題】ボイラーの蒸気圧力又は温水温度を一定にするように、燃料供給量及び燃焼用空気量を自動的に調節する制御を自動燃焼制御(ACC)という。
【解答】正しい。
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