こんにちは、資格マニアのパル子です。今回は、2級ボイラー技士免許試験に出題される「水位制御と水位検出器」について解説します。
過去問を分析して、特に出題頻度が高いところは太字にしておりますので、重点的に覚えましょう。
働きながら完全独学で様々な国家資格を取得したパル子が資格取得のために必要な知識について、わかりやすく解説します。
水位制御
ボイラーの水位制御は、負荷の変動に応じて給水量を調節するものです。
水位の制御方式には、単要素式、2要素式及び3要素式があります。
単要素式は、水位という一つの要素を検出し、その変化に応じて給水量を調節する方式です。
2要素式は、水位と蒸気流量という2つの要素を検出し、その変化に応じて給水量を調節する方式です。
3要素式は、水位、蒸気流量に加えて給水流量という3つの要素を検出し、その変化に応じて給水量を調節する方式です。
水位制御のために用いられる水位検出器は次のようなものがあります。
フロート式水位検出器
フロートがボイラー水位の上昇・下降に伴って上下し水位を検出します。
電極式水位検出器
電極水位検出器は、電極を検出筒という水柱管に挿入し、電極間に流れる電流の有無によって水位を検出します。
電極式水位検出器は、蒸気の凝縮によって検出筒内部の水の純度が高くなると、正常に作動しなくなるので注意が必要です。
熱膨張管式水位調整装置
熱膨張管式水位調整装置は、金属管の温度の変化による伸縮を利用したもので、電力などの補助動力を要しないので、自力式制御装置といわれています。
熱膨張管式水位調整装置には、単要素式や二要素式のものがあります。
水位検出器を取り付けるときの注意点
①確実な水位制御を行うため、水位検出器は、2個以上取り付けます。
このとき、それぞれの水位検出方式は異なるものが望ましいです。
②水位検出器の水側連絡管は、他の水位検出器の水側連絡管と共用してはいけません。
③水位検出器の水側連絡管及び蒸気側連絡管には、バルブ又はコックを直列に2個以上設けてはいけません。
④水位検出器の水側連絡管、蒸気側連絡管と排水管に設けるバルブ又はコックは、開閉状態が外部から明確に識別できるものとします。
⑤水位検出器の水側連絡管に設けるバルブ又はコックは、直流形の構造とします。
⑥水位検出器の水側連絡管は、呼び径20A以上の管を使用します。
⑦水位検出器の遮断水位をボイラーの安全低水面にあわせ、機器を水平に、取り付け管が垂直になるように取り付けます。
最後まで見ていただきありがとうございました。次回は、圧力制御機器、温度調節器について解説します。
今回の記事に関連する過去問
【問題】水位制御は、負荷の変動に応じて給水量を調節するものである。
【解答】正しい。
【問題】水位の制御方式には、単要素式、2要素式及び3要素式がある。
【解答】正しい。
【問題】単要素式は、水位だけを検出し、その変化に応じて給水量を調節する方式である。
【解答】正しい。
【問題】2要素式は、水位と給水流量を検出し、その変化に応じて給水量を調節する方式である。
【解答】誤り。2要素式は、水位と蒸気流量を検出し、その変化に応じて給水量を調節する方式である。
【問題】電極式水位検出器は、蒸気の凝縮によって検出筒内部の水の純度が高くなると、正常に作動しなくなる。
【解答】正しい。
【問題】熱膨張管式水位調整装置は、金属管の温度の変化による伸縮を利用したもので、電力などの補助動力を要しないので自力式制御装置といわれる。
【解答】正しい。
【問題】熱膨張管式水位調整装置には、単要素式はあるが、2要素式はない。
【解答】誤り。2要素式もある。
【問題】水位検出器は、原則として、2個以上取り付け、それぞれの水位検出方式は異なるものが望ましい。
【解答】正しい。
【問題】水位検出器の水側連絡管は、他の水位検出器の水側連絡管と共用することができる。
【解答】誤り。水位検出器の水側連絡管は、他の水位検出器の水側連絡管と共用しない。
【問題】水位検出器の水側連絡管及び蒸気側連絡管には、原則として、バルブ又はコックを直列に2個以上設ける。
【解答】誤り。水位検出器の水側連絡管及び蒸気側連絡管には、バルブ又はコックを直列に2個以上設けてはいけない。
【問題】水位検出器の水側連絡管、蒸気側連絡管及び排水管に設けるバルブ又はコックは、開閉状態が外部から明確に識別できるものとする。
【解答】正しい。
【問題】水位検出器の水側連絡管に設けるバルブ又はコックは、直流形の構造とする。
【解答】正しい。
【問題】水位検出器の水側連絡管は、呼び径20A以下の管を使用する。
【解答】誤り。水位検出器の水側連絡管は、呼び径20A以下ではなく、20A以上の管を使用する。
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